公益通報者保護法って言う法律があるのをご存知でしょうか?

これは労働者自身が勤務している事業所の法令違反行為に対して、法律の要件を満たす公益目的の通報を行った場合に、公益通報者の解雇や不利益な取り扱いを禁止することで、公益通報者の保護を図ることを目的とした法律です。

あまり耳にしない法律ではありますが、平成18年4月1日に施行されており、間もなく5年が経過しようとしています。

食品産地の偽装や、産業廃棄物の不法投棄と言った諸問題が顕在化し、国民生活の生活・安全を損なうような企業不祥事の多くが、事業所内部の関係者等からの通報を契機として明らかになったことから、公益のために通報をした労働者の保護の制度を明確化すべきと言った流れの中、制定・施行されました。

ただ、残念なことに法律の存在自体、あまり浸透していないのが現状です。

簡単ではありますが、制度の概要をご案内いたします。

【公益通報の対象】
以下の事実が生じ、又はまさに生じようとしていること。
①個人の生命又は身体の保護、消費者の利益の擁護、環境の保全、公正な競争の確保、その他の国民の生命、身体、財産その他の利益の保護にかかわる法律に規定する罪の犯罪行為の事実
→上記法律には、食品衛生法や金融商品取引法、JAS法、大気汚染防止法、廃棄物処理法、労働基準法等があります。
②上記法律に基づく処分の対象となる行為で、さらにその処分に違反することが、犯罪行為(罰則規定の対象となる行為)につながる行為
→例えば、法違反に基づき行われた「勧告」を違反した場合や、さらに勧告違反に基づき行われた『命令』に違反した場合等が、すべて対象になります。

【保護の内容】
具体的には保護の内容は以下のとおりです。
①公益通報をしたことを理由とする解雇の無効
②労働者派遣契約の解除の無効
③降格、減給、派遣労働者の交代を求める等の不利益な取り扱いの禁止

【保護の要件】
通報先に応じて、保護要件が設定されています。
①事業所に通報する場合
(1)不正な目的でないこと
②行政機関に通報する場合
(1)不正な目的でないこと
(2)通報内容が真実であると信じる相当の理由があること
③外部機関に通報する場合
(1)不正な目的でないこと
(2)通報内容が真実であると信じる相当の理由があること
(3)一定の要件があること→内部通報では証拠隠滅の恐れがある場合等

消費者庁では、公益通報者保護法に対する労働者・事業者双方の理解を深めるために、説明会が開催されています。
ご興味のある方は一度、参加されてはいかがでしょうか?