家内労働者とは、通常、自宅を作業場として、メーカーや問屋などの委託者から、部品や原材料の提供を受けて、一人または同居の親族とともに、物品の製造や加工などを行い、その労働に対して工賃を受け取る人をいいます。

したがって、①近所の一般家庭からセーター編みや洋服の仕立てを頼まれる場合、②物品の販売などのセールスマン、運送などの仕事をする者の場合、③大規模な機械設備を設置して企業的に仕事を行う場合、④常に他人を雇用する場合などは家内労働者とはなりません。

家内労働者数は、平成22年10月1日現在、13万6,289人で、女性が90.3%を占めています。また、業種別にみると、「繊維工業」に従事する方が31.8%と最も多く、次いで「その他(雑貨等)」が20.0%となっています。

この家内労働者の権利を保護する法律として、「家内労働法」というものがあります。
家内労働法では、委託者や家内労働者に対して次のような義務が定められています。

1 家内労働手帳
   委託者は、家内労働者との間のトラブルの発生を防止するため、仕事内容、報酬等の委託の条件を明記した家内労働手帳を委託、物品の受領又は工賃支払のつど、家内労働者に交付しなければなりません。家内労働手帳は伝票式の様式が定められています。
2 工賃支払の確保
  (1) 工賃は、原則として、現金で、その全額を支払わなければなりません。
   家内労働者の同意がある場合には、郵便為替の交付、銀行その他の金融機関に対する預金又は貯金への払込みによって支払うこともできます。
(2) 工賃は、家内労働者から製品を受け取ってから1か月以内に支払わなければなりません。
 ただし、毎月一定期日を工賃(計算の)締切日として定めている場合は、その工賃(計算の)締切日から1か月以内とされています。
3 最低工賃制度
 最低工賃とは、ある物品について、その一定の単位ごとに工賃の最低額を決めるものです。厚生労働大臣又は都道府県労働局長は、一定の地域内で一定の業務に従事する工賃の低い家内労働者の労働条件を改善するために必要があると認めるときは、審議会の意見を聴いて、家内労働者と委託者に適用される最低工賃を決定することができます。最低工賃が定められている業種・地域にあっては、委託者は最低工賃額以上の工賃を支払わなければなりません。
4 安全及び衛生の確保
 仕事による災害を防止するために必要な措置をとらなければなりません。
5 届出
(1) 委託状況届の提出
 委託者は、委託する仕事の内容や家内労働者数などについて、家内労働法にいう委託者になった場合には遅滞なく、それ以後は毎年4月1日現在の状況について4月30日までに、委託者の営業所を管轄する労働基準監督署に届け出なければなりません。
(2) 家内労働死傷病届の提出
 委託者は、家内労働者又は補助者が委託した業務に関し、負傷したり疾病にかかったりして、4日以上仕事を休んだり死亡した場合には、速やかに委託者の営業所を管轄する労働基準監督署に届け出なければなりません。
6 帳簿の備付け
  委託者は、家内労働者の氏名や工賃支払額などを記載した帳簿を備え付けておかなければなりません。また、この帳簿は最後に記入した日から3年間保存しなければなりません。