会社はその本店所在地にて登記されることで、法人格を取得することになります。
法人格を取得して初めて営業を行うことができるようになる訳ですが、仮に廃業する場合、どういった手続きが必要になるのでしょうか?

会社法における廃業とは、「清算手続き」の終了にあたります。
よく「解散」と混同されますが、「解散」とは会社の法人格の消滅を生じさせる原因となる事実のことを指し、「解散」をしたからと言って、ただちに会社の法人格が消滅することにはなりません。

今回は会社、特に株式会社における解散と清算の制度について、ご説明いたします。

【解散について】
<解散の原因>
株式会社は、以下のいずれかの事由に該当した場合、解散することになります。(会社法第471条)
 ①定款で定めた存続期間の満了
 ②定款で定めた解散の事由の発生
 ③株主総会の決議
 ④合併による消滅
 ⑤破産手続開始決定
 ⑥解散を命ずる判決

このうち、主となるのは③による解散です。
他に株式会社に限定しますと、「みなし解散」と言う制度もあります。

これは株式会社に関する登記が最後に行われた日から、12年を経過したいわゆる休眠会社について、法務大臣が2ヶ月以内に事業を廃止していない旨届け出るように公告したにもかかわらず、届出がなかった場合に、解散したものとみなされる、と言う制度です。

なお、①②③のそれぞれについては、いったん解散したとしても、後日株主総会における特別決議をもって、会社を継続することができます。ただし、清算の結了までに決議しなければなりません。(会社法第473条)
また、みなし解散については、解散したとみなされてから3年以内でなければ、継続することはできません。


【清算について】
清算とは、解散した会社の法人格を消滅する前に、会社の現務を結了し、債権を取り立て、債権者に対して債務を弁済し、株主に対して残余財産を分配する等の手続きのことを言います。

<清算人>
清算会社には清算人が選任されます。
原則として清算人は以下のいずれかの方法によって選任されます。(会社法第478条)
 ①定款の定めによる
 ②株主総会の決議
 ③①及び②で決まらない場合は取締役がそのまま清算人になる

例外として、裁判所に選任される場合もあります。

<清算会社の権利能力>
清算会社は、清算の目的の範囲内においてのみ、権利能力を有することになります。(会社法第476条)
目的の範囲内であれば、新株の発行や社債の発行も可能です。=主として弁済資金を確保するため。

ただし、債権者への弁済を優先に行うため、剰余金の配当はできません。(会社法第509条)

<清算の結了>
全ての清算事務が完了した場合、清算人は決算報告を作成し、株主総会の承認を受けなければなりません。(会社法第507条)

その後、清算結了の登記を行うことで、会社の法人格は消滅することになります。
ただし、いくら登記を行ったとしても、債権者への弁済が未了であったり、あるいは残余財産の分配が未了だった場合は、法人格は消滅しません。