メンタルヘルス問題を扱う上での難しさは、その疾病が目に見えないところにあります。
骨折によって就業上の配慮が必要だというのであれば、そのような配慮がどの程度の期間必要なのかは、医療の素人目に見ても何となく想像がつきます。

しかし、メンタルヘルス問題はまったく目に見ることができず、しかもどのくらいの期間で元通りに働けるようになるのかは、なかなか予測が困難です。

そうなると、主治医が発行する診断書を頼りにしなければならないのですが、肝心の主自治の診断書にも「うつ病」「うつ状態」「躁鬱病」「適応障害」「自律神経失調症」など似たような名前が並んでおり、戸惑うことが多いのが現実です。
また、療養期間に関しても、一度出された診断書から延長されたり、突然「復職可能」と診断されたりと、かえって主治医の診断書に振り回されてしまうことすら少なくありません。

そもそも「うつ病」と「うつ状態」とは、どう違うのでしょうか?
「うつ状態」とは文字通り「うつ」の状態、すなわち気持ちが沈み、意欲が出なくなっている状態のことを示します。
ですから、「うつ病」のときは当然、「うつ状態」になるわけですが、それ以外の心身の不調などでも「うつ状態」となることは十分あり得ます。
つまり、「うつ病」は「うつ状態」という状態を呈する病気の一つにすぎないわけです。

主治医側が曖昧な診断書を作成する大きな理由は、精神科の病気はすぐに確定診断が下せないということや、主治医が患者に配慮した結果として、本当の病名を書かずに曖昧な病名を記載することなどが考えられます。

メンタルヘルス問題の解決に取り組むためには、信頼できる精神科の医師や、メンタルヘルス問題に精通した社会保険労務士と言った専門家の活用が不可欠です。