全ては突然に起こる

退職した労働者の代理人を名乗る弁護士から、未払い残業代の支払いを求める内容証明郵便が突然届いた、、。

あるいは労働基準監督署から、特定の労働者に関する資料を持って出頭するよう、要請が来た、、。

全てはいきなり起こります。

何の準備も無く、対応をすることは可能でしょうか?
会社の規模に関わらず、労働者を雇用する限り人事的な問題・課題は大小を問わず起こりうるものです。ただ、その多くは事前にあらかじめ対処することで、回避することが可能であることがほとんどであることも事実です。

問題の原因は多々ありますが、以下の事例はよく見受けられるものです。

 

<就業規則・諸規程と労働条件のアンマッチによるもの>

就業規則・諸規程は会社と労働者双方にその効力が及びます。

しかし、就業規則・諸規程が、かなり以前に定められたままで、一向に修正されておらず、現行法や現実の労働条件とかけ離れてしまっているケースがあります。

 

<退職金制度の放置>

従前に規定された退職金制度の多くは、基本給に退職時までの勤続年数に応じた係数を乗じた、基本給連動型でした。

この制度は大変分かりやすく、労働者側も退職時における退職金を自分でも計算することができるため、退職後の生 活設計をしやすいと言ったメリットがあります。

しかし、その勤続年数に対する係数は従前の経営基準で定められたものが多く、現状においては到底支払うことがで きない退職金水準となってしまっているケースが多々見受けられます。

下手をすれば退職金倒産、なんてことになりかねません。

 

<長時間労働に対する対応の遅れ>

時間外労働が特定の労働者に集中している、あるいは長時間労働が恒常化してしまっている、、。

中には売り上げが減少しているにも関わらず、時間外労働が一向に減らない状況になっている、、。

仕事をする以上、残業はある程度はやむを得ないものです。

しかし、長時間労働を当たり前と思うようになっている職場では、同時にうつ病と言った精神疾患が多発しています。

近年では精神疾患に対するケアが不十分であるがゆえにトラブルになるケースが増えています。

 

<名ばかり管理職の存在>

「課長職以上は管理職だから、割増賃金は支払う必要が無い」とお考えになっている方、いらっしゃいませんか?

割増賃金の支払いが必要とならない管理職については、以下のいずれの要件も満たしている必要があります。